創造する無意識―ユングの文芸論
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定価 : ¥ 775
販売元 : 平凡社
発売日 : 1996-03 |
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優れて謙譲で建設的な心理学的分析 |
4つの論考はもとは別々に発表されたもので、いずれもわりと読みやすく、短い。例として挙げられる文学作品の主なものは『ファウスト第二部』、『ツァラトゥストラ』などである。少量であることは良くも悪くもあるだろうが、(自称)詩人の女性を扱った『変容の象徴』などかなり量のまとまった著作もユングは書いているので、より詳しい理論はそちらの方にあたるべきだろう。ただ、ユングが本格的な芸術を直接主題にした論文は数少ないため、その点でこの論文集は貴重である。
ユングは彼の分析心理学の観点に立って、芸術(特に文学)とその創作行為において、無意識の働きが果たす役割を浮かび上がらせようとする。といっても芸術家個人の心理学的分析をして見せるのではなく、幻想的な文学やその創作!プロセスが心理学の領域ではどのように考えられるのかを示し、それによって、時代にとって芸術家一般の持っている意味などを明らかにしてゆくのである。したがって、ここにはダヴィンチの絵をエディプスコンプレックスに帰着させてしまうような不毛さはない。