ユング―地下の大王
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人気ランキング : 235,697位位
定価 : ¥ 683
販売元 : 河出書房新社
発売日 : 1993-09 |
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ユングを知るには最適な書 |
コリン・ウィルソンは精力的に評伝を書いている。ウスペンスキー、グルジェフ、ルドルフ・シュタイナーなどの神秘家たちとウィルヘルム・ライヒ、そして本書のユングといった異端の学者たち(これらのウィルソンの本はほとんどが手に入らないので、早く文庫にして欲しい)。彼らに共通するのは、「生」を積極的に受けとり、有意義な「生」を送ることを目的にしていたように思える。ウィルソンは、厭世的なフロイトより楽観的な(楽観的に見える)ユングを取り上げ、自己の「X機能」を説明する。よりよく生きるために必要な活動能力である「X機能」は、ウィルソンのファンにとっては、聞き飽きた感もあるけれども、やはり何度読んでも納得させられる。このユングの伝記もいつものように「その」話でまとめられるが、しかし途中のフロイトとの関係、そして決別までが詳細に書かれてあり、そこだけでも読むべきだろう。そして、ユングは、最初から最後までオカルトと関係していたことは、ユングを「純粋」な心理学者としてみている多くの日本人は驚くであろう。
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the Fair? |
本書はウィルソンにしては珍しいほど中立的立場に立った記述から始まりますが、結論部分に来るのはやはり毎度お馴染みの肯定的人生観です。ウィルソンは初期からフロイト批判を繰り返してきたのでフロイトと実際に激しく対立したユングに自己を投影させているとしか思えない部分も少なくはないのですが、同時にユングは科学者としては失敗だったとする等、或る程度の中立さを保とうと悪戦苦闘した痕跡も見当たります。しかし本書が誇る価値は明らかにユングの非科学者的で神秘主義者的な側面を十二分に描き出していることにあり、ユング自身が自分を科学者としてアピールすることに熱心だったことを考慮すれば尚更ユングの実態を知ることが出来るという意味での本書の価値は上がると思います。