ユングでわかる日本神話
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定価 : ¥ 714
販売元 : 文藝春秋
発売日 : 2005-09-20 |
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神話から見る日本人の意識発達度 |
エーリッヒ・ノイマンの「意識の起源史」の分析手法を日本神話に適用した書。ノイマンは、神話のシンボル体系の中に意識の発達の仕方が反映されているという作業仮設に立つ。その仮設で、世界の神話を分析し、意識と無意識の発達史を論じた。
同じ方法で著者は日本神話を分析。分析の結果は、日本では古代においても自我意識が、かなりの程度発達していたとの結論に至っている。通説とは異なる著者独自の日本人の意識発達史についての見解である。
講義を文章化したもので、語り口はなめらかである。他人に伝えるのが大変難しい内容を、丁寧にかみ砕いて書いており、大変判りやすい。
日本神話分析の傍証のために、分析対象として世界の神話が通覧されており、グローバルな視点が説得力を増している。
ドイツ語文献の読みが確かであり、読む人に信頼感を与えてくれる。
いわゆるユング派の強引な分析への率直な批判もあり、ウム確かにと思わせる部分もあり面白い。
本書は臨床家ユングというより、学者ノイマンの手法が色濃い。題名にあえてユングを出す必要はあったのだろうか。ユングを主とするならば、時の軸だけではなく、今の私達の心の中と神話との関係が旨く表現できる臨床例の切り口がもっとあればよかったなと思う