図説 ユング―自己実現と救いの心理学
 |
人気ランキング : 66,180位位
定価 : ¥ 1,890
販売元 : 河出書房新社
発売日 : 1998-06 |
 |
カラー図版、写真が豊富。ビジュアルなユング心理学にいざなってくれる。 |
ユング心理学が、フロイトや他の心理学と決定的に異なるもののひとつは、ビジュアルということである。
この本は、ユングの一生について、マンダラ、神話、錬金術、芸術、宗教、塔の家、石彫等のカラー図版、写真を絡めて分かりやすく、かつポイントを押さえて解説してくれる。
手元において、様々なメッセージを発するカラー図版、写真を何度でも視たり、眺めたりできるようにしてくれた、しかも安価で提供してくれた著者、出版社に感謝したい。
 |
C.G.ユングってこういう人でした |
林さんは、多くのユングの本を著されていますが、この本はユングという人物の概観を1冊で知るには、ベストな本だと思います。
ユングの子供時代のエピソードから、青年時代、壮年、老境、そして「死」まで彼の人生を通じて書き、元型(アーキタイプ)やマンダラ、自己などの代表的なユング心理学の概念をやさしく説明しています。
ユングを「国」に見立てるならば、その全貌を網羅するのは難しいけれど、それを知るために重要なランドマークを、上手に集めてくれた本と言う感じがします。
ユングという「国(=人)」を観光するにはもってこいの本です。
心理分析などは、これを読んでもできないですが、ユングの魅力は分析そのものの良し悪しよりも本人の人となりだったと思いますので、そのように読むならば十分楽しめる一冊です。
「ユング心理学」というより、「ユングって誰?」を知りたければ一番の入門書と思います。
 |
ビジュアルなユング入門書 |
著者は、東大法学部を卒業後、経済学博士になりますが、日本でユング心理学を研究している中では、有名な方だと思います。この本は、ユングの生涯とユング心理学について、関連する絵画や写真をたくさん織り交ぜながら解説しています。「はじめに」の中では、著者によるユング心理学の評価が書かれています。それによると、ユングの発見した集合的無意識は、「心の働き方に人類共通の基盤がある」としたため、「人間を孤独から救い、対立ではなく連帯と協力への希望を与えてくれ」たのだそうです。「人間は希望と楽観がなくては生きてゆけない」ため、「希望と楽観に確固たる心理学的基盤を与えてくれる理論は貴重である」としています。「元型の発見は、近代の個人主義的な人間観を根底から覆したという意味で、精神科学系における20世紀最大の発見」と評価しています。
著者は、ユングとフロイトの違いについて、「フロイトが性的なイメージを字句通りに受け取ったのに対して、ユングはそれを霊的なもののシンボルとして解釈しようとした」点にあるとしています。例えば、近親相姦イメージは、フロイトでは具体的な家族関係として捉えたのに対し、ユングは対立するもの同士の結合のシンボルとして受け止めるのだそうです。図や写真もふんだんにあり、フロイトとの違いを意識しながら書かれた、分かりやすい入門書だと思います。
 |
ユング初心者にお勧め |
写真やイラストなどの資料を豊富に載せて、ユングの一生とその心理学の基本をわかりやすく書いたユング初心者にはお勧めの本。この本を手始めににして、次に更に専門的な本にいくといいのでは。